2022.02.123回目コロナワクチン接種報告 症例報告形式 考察参照
症例1)50歳後半男性
前2回は生活にやや支障を来す接種部位の痛みと夜間の軽度胸やけ感のような消化器症状であった。今回も日常使用している、ロキソニン錠とツムラ麻黄湯エキス顆粒を接種前から服用。今回は深夜帯になって寝返りをうつとワクチン接種部位の痛みを自覚する程度で、動かさなければ痛み無し。その他の消化器症状等の自覚は無し。発熱無し、頭痛無し、仕事に支障なく出勤。
症例2)50歳前半女性
前回・前々回あった空腹感と胸のむかつき、接種部位の痛みは、今回ツムラ麻黄湯エキス顆粒を当日朝・夜服用したためかほとんどなく、接種部位の痛みも前回よりも軽く済んでいる。前回よりも多量の飲水を心がけた。
症例3)60歳前半女性
前2回は頭痛、発熱があった。
ワクチン接種当日朝食後、昼食後にツムラ麻黄湯エキス顆粒を服用。同日17時45分頃3回目のワクチン接種。接種後直ちにカロナール500㎎1錠を服用。夕食後にツムラ麻黄湯エキス顆粒服用。眠前にはカロナール500㎎1錠服用。同日22時頃からワクチン接種部に疼痛を自覚。接種2日目翌日もカロナール500㎎1錠、ツムラ麻黄湯エキス顆粒を3回服用。前回のような頭痛と発熱は無し。薬で症状をおさえている様な倦怠感はあった。接種部の痛みは引き続き有り。接種3日目は薬服用せず。倦怠感消失。接種部の痛みは有り。接種後5日目で接種部疼痛軽快。
症例4)60歳前半女性
前2回は比較的強い症状あり
3回目コロナワクチン接種前日より朝・夕でツムラ麻黄湯エキス顆粒服用。午後5時20分左腕に新型コロナワクチン接種、同日毎食後でツムラ麻黄湯エキス顆粒+ロキソプロフェンNa錠60mg1錠服用。接種当日は、夜、寝る時に接種部の痛みが出てきて、寝返りがしにくい状態となる。
接種2日目朝、接種部周囲の痛みあり、しかし腕は挙上可能。左頚部痛があるが、普段どおり生活はできる状態。上記薬服用すると各所疼痛コントロールは可能。
症例5)40歳代前半女性
今回も接種前からツムラ麻黄湯エキス顆粒とカロナール500㎎1錠服用。接種後すぐ腕のしびれを感じる。夜中から接種部位の疼痛あり。寝返り出来ず。徐々に頭痛が始まりカロナール500㎎1錠服用。服用すると頭痛は軽減。翌朝から倦怠感あり一日中ほぼ寝ている状態。カロナール500㎎錠は適宜服用。発熱はなし。2日目朝から体調改善し日常生活に戻る。3回接種した中で今回が一番軽い副反応であった。
症例6 )50歳前半女性
コロナワクチン3回目接種報告
1.2回目は比較的症状が軽かった。今回の3回目のワクチンも安易に考えていた為、なんの対策も処方の準備もせずにいた。
接種後3時間で早くも腕の痛みと倦怠感…その夜悪寒、関節の痛みあり。
夜中37.6度、ひどい頭痛と吐き気。我慢の限界で市販の鎮痛剤服用。
二日目は食欲もなく微熱と頭痛、腕の痛みが持続で鎮痛剤は2回服用。
3日目は軽い頭痛と接種部位の痛みはあるものの、鎮痛剤服用は必要なしで経過した。
症例7)50歳前半女性
3回目は接種し15分後に眩暈があったが直ぐに消失。1回目2回目にあった悪寒はなし(接種翌日出勤のため気がはっていた?)。発熱もなし。2日目から接種した側の腋窩のリンパ節が痛みあり。その症状が5日ほど続く。疼痛は3回目が一番強く翌日より安静時には痛みはないが、三角筋が動くと痛く肩より上に挙上ができないほどだった。痛みは3日ほどで消失。
薬の服用は123回目とも一度もしていません。
症例8)40歳代後半女性
コロナワクチン3回目、1.2回とも接種部位の痛みのみで症状も軽かった。
3回目は接種後2日休みがあったため内服せず様子みていたが、接種部位は触れると痛いぐらいで、発熱はないが、首から肩にかけて硬直したかのような痛みと怠さで、頭痛がひどく、食欲不振。
薬は全くのまず、2日目の夜に、すーっと痛みが引く感じて楽になりました。
症例9)40歳代後半女性
コロナワクチン接種3回目経過報告
カロナール500㎎、ツムラ麻黄湯を当日朝から服用。午後にクリニックでファイザー製コロナワクチンを接種。帰宅後に軽い頭痛と倦怠感あり。発熱なし。夜中から寝返りの時に接種部の痛みあり。今朝から鼻水とくしゃみ、咳が出現。鼻水は、サラサラで透明。ずっと左鼻腔の奥に違和感があり。
予め内服対策を行ったためか前回、前々回よりは症状は軽く経過した。
総評、老人施設は今回三田市からのワクチン配給の都合からモデルナ製ワクチンを0.25mlで、交互接種を行っています。今のところ重篤な副反応や発熱、耐えがたき疼痛の訴えは聞こえてきません。内服薬の事前投与なども行っておりません。職員接種に関しては、上記詳細に加え、施設職員には施設があらかじめカロナール500㎎錠内服薬を配布し自由に症状対策が出来るようにしています。結果前回よりも事前服用者は症状緩和が得られているようです。前回の症状や発熱などの副反応を確認する機会は、3回目接種の時しかなく、製薬会社や行政、マスコミがどのように副反応チェックを行ったかは不明ですが、37℃~39℃の発熱や頭痛などあり症状発現後に内服薬を使用した方が多かったようです。今回接種時に症状があった職員はあらかじめ服用を勧めています。
結果、症状緩和を報告して頂ける職員は多くおいでになりました。
今回も冬季期間の接種になりますが、脱水状態予防のための飲水をこころがけて頂き、激しい運動や熱い風呂に長く使って深部体温を接種当日は上げないようにアドバイスしています。飲酒は当日は避けましょう。
小学校、中学校など学生さん達の感染蔓延が報告され、オミクロン株(BA1)は、症状発現前にウイルス拡散をしている状況にあります。家庭内感染はもとより、老人施設内でのクラスターの発生状況からみても、症状発現後の隔離ではすでに周囲利用者へ蔓延させていると思わざるをえない状況で、施設内感染対策に関しては考え方を変えなければならないタイプへコロナウイルスも変化を遂げていると判断できます。今後オミクロンBA1株から亜型のBA2株に変化した場合、今まで以上に拡散スピードと罹患者数の増加が懸念されます。
コロナ治療内服薬ラゲブリオカプセルは老人施設内でのクラスター時の使用経験では症状発現時に即座に検査時は抗原検査陰性例が多く(PCR検査は数日結果が出るのにかかるとのことで)症状発現時にカロナール500㎎1錠とツムラ麻黄湯エキス顆粒1包を服用開始して頂き、約半日後の抗原再検査で陽性時にラゲブリオカプセルを内服して頂き、症状緩和と発熱改善、食欲維持に有用と判断しています。早期内服開始は有用と感じますが、超高齢者が服用するためにはカプセルの大きさと服用量の再検討が必要です。実際、詰まらせる可能性を鑑み、致し方なく現場の判断で脱カプセルで服用させたとのことでした。また、早期診断でも若い、合併症の無い患者には使用できず、カロナール500㎎3錠とツムラ麻黄湯エキス顆粒3包を処方し、可能な限り飲水、食事摂取を促し様子観察を指示、脱水の可能性がある場合は早期補液対応を予定としましたが、早期解熱、飲水により症状緩和は図れたようでした。
今後ファイザー製コロナ治療薬の利用など期待するところが大きく感じます。
3回目のワクチン接種で重症化を防ぎ、1人1人の意識改革で感染症拡散予防を引き続き頑張って頂きたいと思います。感染が無ければ発症も拡散もしませんが、症状発現以前にウイルスを拡散する可能性が高い今回の感染症です。皆さんも罹患せず、後遺症に悩ませられないようにしましょう。
(追記)ざっくりアレルギー体質の方はあらかじめ前回・前々回の症状の有無にかかわらず、予防的内服をしておいた方が無難と考えます。
ざっくりアレルギー体質とは、花粉症やアトピー、食物アレルギーを既往歴として認識、報告しない患者様が多くおいでになることから表現してみました。
医療法人社団諒和会 サンヒルズクリニック 院長 (文責)2022/02/12